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治療例あれこれ
このページでは当院で診察した治療例をあれこれ紹介して、ペットたちの病気を紹介いたします。
手術例などでは臓器の写真等少々御見苦しいかもしれませんし、レントゲン写真や専門的な語句などは少し理解しにくいかもしれませんがご了承下さい。
※まだ紹介数が少なくてすみません・・・・・
<皮膚>猫の好酸球性肉芽腫症候群
◆猫の好酸球性肉芽腫症候群は、好酸球性皮膚炎、好酸球性局面(プラーク)、好酸球性潰瘍などと呼ばれることもありますが、どれも原因は同じで、症状の出かたで名称が分けられているようです。
◆原因は様々な説がありますがはっきりとはわかっていません。アレルギー説が有力ではないかと思われますが、いずれにしてもこの病気が出てしまうことは本人の「体質」に原因があり、家族性に出る事も証明されています。
◆治療をすればいったんはよくなりますが、何度も再発を繰り返す事が多いです。
<内分泌>犬のクッシング症候群
◆クッシング症候群とは、副腎から分泌されるコルチゾールというホルモンが過剰になり、様々な症状を引き起こす病気です。
◆原因は、脳下垂体の腫瘍と副腎腫瘍の二つに分類されますが、脳下垂体の腫瘍によるものが90%程度を占めます。
◆原因の如何に関わらず、多飲多尿がほとんどのワンちゃんで見られるようになり、他に皮膚症状(両側対称性脱毛、石灰沈着、色素沈着など)、お腹が張ってくる、パンティング(はぁはぁという呼吸)などもよく見受けられます。
◆疑わしい症状がある場合は、ホルモン検査やエコー、場合によってはCT検査などを実施して診断します。
◆治療は、飲み薬で過剰なホルモンを抑える治療が一般的で、他に、腫瘍化した脳下垂体に放射線を照射するという治療方法もあります。脳下垂体が巨大化した場合は摘出手術も報告されていますが、まだ一般的ではありません。また、副腎そのものが腫瘍化している場合は、副腎摘出も考慮します。
<感染症>猫のクラミジア感染症(1例)
◆猫のクラミジア感染症は、結膜炎や鼻炎などを引き起こします。
◆特に強い結膜炎を引き起こす事が多く、カリシウイルスやヘルペスウイルスとの混合感染では重篤な呼吸器症状を発症することもあります。
◆抗生物質の内服がかなり効果的ですが、3〜4週間は継続して飲み続けないといけません。
◆ワクチンもあるのですが、予防効果が十分とはいえず、あまりおすすめしていません。
<腫瘍>肛門周囲腺腫(1例)
◆肛門周囲腺腫は、高齢で未去勢の雄犬で多く見られ、逆に去勢済の雄犬や雌犬ではまれな腫瘍です。
◆アンドロゲン(男性ホルモン)依存性があるため、治療する場合腫瘍の摘出と同時に去勢手術も実施するのが一般的です。
◆肛門周囲に発生する腫瘍の約80%を占め、良性腫瘍ですが、気付かないうちに肛門の周囲全体にいくつもできていることがよくあります。
◆去勢をしていないワンちゃんでは、高齢になるに従い肛門周囲腺腫、前立腺肥大、会陰ヘルニアが発生しやすくなります。やはり予防には去勢をしておくことがいいでしょう。
<腫瘍>オス犬の精巣腫瘍(1例)
◆精巣腫瘍はオス犬で二番目に多い腫瘍です。セルトリ細胞腫、精上皮腫、間質細胞腫の三種類が最もよく認められます。
◆停留睾丸(睾丸が腹腔内やそ径部の皮下にあること)のワンちゃんでは、精巣腫瘍の発生率が正常のワンちゃんの10倍以上にもなります。
◆予防策は・・・・やはり去勢しておくしかありませんね。
<腫瘍>皮膚組織球腫(1例)
◆皮膚組織球腫は比較的若いワンちゃんによくみられる皮膚の良性腫瘍です。頭部、顔、四肢によく発生し、境界明瞭な孤立した紅色でドーム型の病変を特徴としています。
◆皮膚組織球腫の診断は、院内でできる簡単な細胞診(針をさして細胞を取り、その細胞を染色して顕微鏡で見る検査です)でおおよそ可能ですが、確定診断を下すためには外科的な切除後の病理組織検査(検査センターに依頼)が必要です(ただし、手術をすることはめったにありません)。
◆皮膚組織球腫は通常3ヶ月以内で自然に無くなってしまうことが多いため、簡単な細胞診で仮診断を下し、自然消滅するのを待つことが多いです。ただし、腫瘍がまだ成長中の段階で発見されることが多いため、診断を下してから、いったんさらに大きくなることも多いので、飼い主さん、獣医ともどもちょっと不安になる時期がありますね。
<循環器>犬のフィラリア症(2例)
◆フィラリアという虫は、蚊によって媒介され、犬の肺動脈に寄生します。
◆飼い主さんの中には、いまだに「フィラリアにかかったらすぐ死んじゃうんですよね」と言われる方もいますが、手術で虫を摘出して治すこともできますし、虫の寄生数が少なければ、そのまま予防をして虫が増えないようにしていけばなんの症状も出さずに済むこともあります。
◆フィラリアにかかってしまっても、数年間はほとんど症状が出ることはありませんが、治療せずにそのまま何年か経過すると、徐々に咳、喀血、疲れやすいなどの症状が出始め、徐々に心不全、肺炎、肝不全、腎不全などの慢性症状が出てきます。慢性化してしまった場合は、薬等による継続的な管理が必要となります。
◆予防に関しては、細かい説明がされたサイトがたくさんありますのでそちらを参考にしていただきたいのですが、基本的にはHDU(Heartworm Development heat Unit)の概念に基づいて予防期間を設定しますので、当院では6月上旬から11月下旬まで、毎月一回、合計6回予防薬を飲むことで予防しています。
<循環器>動脈管開存症(3例)
◆動脈管開存症は犬の先天性心疾患の中で最も多く認められる疾患です。猫では非常にまれな疾患です。
◆赤ちゃんがお母さんのお腹の中にいるときは、肺で呼吸をしていないため心臓に戻ってきた血液を肺に送る必要がなく、そのため直接大動脈に流れるように、動脈管という血管が存在します。この動脈管は生後まもなく閉鎖しますが、閉鎖せずに残ってしまった状態を動脈管開存症と呼びます。
◆動脈管開存症は、他の心奇形や肺高血圧を伴わなければ早期に診断された時点で、直ちに手術をする必要があります。仔犬のころに気づかないままでいると早期に心不全で亡くなることも多いのですが、成犬になって発見され、その後内科的な維持療法によって長期生存する例もまれにあります。
<整形>前十字靭帯損傷(1例)
◆前十字靭帯とは膝関節の中にある靭帯で、その働きは主に脛骨が前方へ行く力を支えています。
◆前十字靭帯の損傷は高齢、もしくは肥満犬に発生しやすく、ちょっとした力の負荷がきっかけで突然起こることがあります。例)足をひねった、溝にはまった、方向転換をした、等々。
◆治療は手術になり、様々な術式が考案されています。オーバーザトップ法に代表される関節内法、エンジェルスリング、ナイロン糸等による締結、脛骨高平部水平骨切術(TPLO)、腓骨頭転移術等の関節外法がその代表です。
◆どの手術法にも長所短所があり、いまだにパーフェクトという手術法はありません。従って、前十字靭帯を損傷してしまった場合は、適切に治療を行っても、将来的に膝の変性性関節症(DJD)が起こりうることを頭に置いておかなければいけません。
<整形>膝蓋骨の内方脱臼(2例)
◆小型犬で、「後ろ足のびっこ」といえばまずこの病気が思い浮かびます。「膝蓋骨」とは「ひざのお皿」のことで、この「お皿」が正常の位置から内側にずれてしまうことを「内方脱臼」と言います(ちなみに「外方脱臼」は大型犬でごくまれに見られます。)。なお、中〜大型犬にも時々見られます。
◆遺伝的要因で発症することがほとんどですが、後天的な要因(外傷など)が関わる事もあります。病態発生には色々な説があり、いまだにはっきりと解明されていませんが、「小型犬」の中でもヨークシャテリアやポメラニアンなどの「立ちひざ」の犬種に出やすく、ダックスなどの立ちひざではない犬種には出にくい病気です。
◆ここでは、痛みがひどかったり、機能不全があるために手術したワンちゃんだけを掲載しましたが、手術せずに内科的に維持できることのほうが圧倒的に多いです。
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